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九谷焼の北山堂 店長日記

これからの石川県に必要なもの

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昨日、某雑誌の取材依頼があり、『これからの石川県に必要なもの』というお題をいただきました。事前に簡単なコメントが欲しいといわれ、書き始めたところ長々となってしまい、せっかくですのでブログに公開することにしました。あくまで個人的な意見ですので皆様のご参考になれば幸いです。


これからの石川県に必要なもの

1.特徴ある街づくり
仕事から全国を飛び回ることが多いのですが、どこにでもある全国チェーンのショッップ、飲食店が通りに面しており、何ら特徴のない街が数多く見受けられます。
そういった土地へ行ったとき、また来たいかと尋ねられれば、余り行きたいとは思わないし、住みたいとも思わないですね。
幸い金沢には多くの伝統文化があり、お客様の意見としては『綺麗な街ですね』と答える方が非常に多いです。しかしながら、近年どこにでもある全国チェーンのお店が増えております。そういった店がますます増えてきた場合、『金沢の価値』というのはどうなるのでしょう。近所と何らかわらない『金沢(石川県)』に観光したいと思うのでしょうか???


2.新しい伝統文化
九谷焼という豪放華麗な器を扱っているのですが、その原点というのは『床の間に飾っておきたい』、『お正月に使ってみたい器』など『昭和時代』は好まれた生活スタイルです。しかしながら現代生活において『床の間』は無くなり、『お正月』はデパートで買ってきたおせち料理で済ませるか、あるいはファミレスで食事をする方が多いです。そのような現代のライフスタイルの中で、昔ながらの豪放華麗な器というのはどこに登場するのでしょう。やはりその活躍の場はなくなってきたといっても過言ではありません。
今後九谷焼が生き残っていくためには『現代のライフスタイルにマッチした器』を作らない限り将来は見えてきません。しかし全国どこのスーパーでも売っているような器を『九谷焼で手作りで作りました』といっても誰も見向きもしないでしょう。
やはり『金沢の伝統文化を現代のライフスタイルに受け継いだ器』という個性がないと生き残ってはいけません。
これは九谷焼のみならず石川県の伝統工芸のほとんどに言えることです。『美術館』で過去の芸術品を鑑賞するのではなく、将来『美術館』に入るような作品(伝統文化)を企画発表していきたいと思います。

3.団塊Jrの活躍
様々な各種団体、百貨店などのお取引先様、仕入先、どれに参加させていただいても、50~60代前半の方と私と同年齢の30代の方と『団塊と団塊Jr』の2つの年齢構成が大半の組織を形成されております。つまり間の40代の世代の人というのは、人数的に少ない場合が多いです。俗に言う『2007年問題』というのは私の周辺においては深刻です。やはりこの問題を打開するには団塊Jr世代の活躍なくして今後の発展というのはありえないでしょう。しかし私達の年代というのはバブル崩壊後就職という時代背景でしたので、私の同級生でもほとんどの方は石川県を離れ都会で就職というパターンが多いです。是非都会に流出した有能な人材が故郷石川県に戻ってくることを切に願います。

4.北陸全体を巻き込んだ街づくり
この御題をいただいたとき、疑問が一つありました。『石川県とは何?』
今まで店の向いにあった石川県庁。3年位前に郊外に移転し、その存在は身近なものから、一転遠い存在になった気がいたします。とりあえず私の車は石川ナンバーですがそれ以外で石川県と関わりがあるかといわれれば、後はパスポートの申請くらい。
元々、加賀の国と能登の国という違う国であり、『能登のトト楽、加賀のカカ楽』という言葉に代表される位、考え方が違います。それを国が定めた石川県というククリで、行政がおこなわれております。
それであるならば、都会の人が『石川県ていうのはどこ?』という位、知名度が低い石川県というククリを取り外してしまい、日本海側、あるいは北陸地方というククリで国全体から見た地域を特定した街づくりのほうがより現実的な街づくりができるのではないでしょうか。
私の東京の友人が金沢に来た場合のほとんどは、金沢に来て、その後東尋坊へ行く、あるいは長野から金沢に来た、とその活動範囲は石川県というククリは通り越していると思います。
石川県の最先端『珠洲市』まで車で2時間。しかし高速道路を使えば北は新潟県、南は滋賀県まで県境を越えてしまいます。
やはり石川県というククリではなく、広域的な視点で将来を見据えた方がよいのではないでしょうか。

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写真提供:金沢市
by hokusando | 2006-06-28 09:56 | マスメディア